木製95総頓型 活魚運搬船

紀元前からこの海の上を走りつづけてきた木造船、その末裔たちは
今日も、金箔を張りつけた船首の唐草模様を誇らしげに輝かせて
世紀を超えて走りつづけています。

 
第拾壱盛漁丸、本船は今から30年近く前に瀬戸内海の淡路島の造船所で建造された木造の活魚運搬船です。
そのつくりは西洋型の木造船と違い幅広の外板を木の流れに沿って貼り付けていくという淡路型という建造方法による船です。
瀬戸内海独特の、古くは村上水軍などの船につながる伝統的なつくりの木造船といえます。
本船は建造から20数年を経てかなり痛んでいましたが、20世紀も最後の年に木造船に一方ならぬ愛着を持つオーナーの手によって約半年間の時間をかけていたんだ外板の取替えなどの大改修を受けました。
そしていま、真新しいペンキと金箔を張りつけた船名板と船首の唐草模様を朝日に輝かせて新造船のような軽やかなあしどりで九州から阪神への航路に就いています。 
本船はおそらく日本国内の民間の現役の木造船では最大級の船でしょう。 
ずっしりとしたブリッジ、遠い昔の遣唐船や海賊船を彷彿とさせる船首のいでたちは最新、高性能の船にもまけない堂々とした迫力を感じさせてくれます。

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